「みなと森と水サミット」宣言文(全文)

2009年1月21日、「みなと森と水サミット」がエコプラザで開催されました。「第2回みなと森と水会議」のオープニングイベントも兼ねたこのサミット。サミットの開催趣旨に賛同した全国8区市町村の首長が一堂に会し、活発な議論が展開されました。
 各自治体の代表としてこのサミットに参加したのは、東京都あきる野市・臼井孝市長、東京都檜原村・坂本義次村長、長野県小諸市・芹澤 勤市長、岐阜県郡上市・鈴木俊幸副市長、高知県梼原町・中越武義町長、高知県中土佐町・池田洋光町長、北海道紋別市・宮川良一市長、そしてこの会議のホストである東京都港区の武井雅昭区長の8名。第一部では、8区市町村それぞれの森づくりの取り組みを首長みずからがプレゼンテーション。
 第二部では、「商品価格がコストに見合わないために、山が働く場所にならなくなった(檜原村)」「森を守るということは下流の都市の人を守るということ。都市部の人たちが森の重要性を理解し、国や県が森林税などに取り組む必要があるのでは(小諸市)」など、それぞれの「森」が抱える問題点とそれを解決するための方法論、港区をはじめとした自治体同士の連携の取り方などが議論されました。そして最後に、「みなと森と水ネットワーク会議」の結成など、木材と炭素クレジットを中心に大きな人口と市場を抱える都市部と豊富な森林資源を抱える山間部がダイナミックに結ばれる新しい社会システムの構築を目指す「サミット宣言」を採択して閉幕しました。
(2009年1月22日付毎日アースデイ新聞より)


【サミット宣言(全文)】

みなと森と水サミット「みなとモデル2009」宣言

地球温暖化問題をはじめ、わたしたち人類の存続を脅かす様々な環境の危機は、森林の危機と密接に関係します。
森林の危機は地域社会にとっては経済の危機に直結します。
その危機を回避するために、地域の森を再生させるために、わたしたちはただちに躊躇なく連携協力していく必要性を痛感します。
大きな人口と市場を抱える都市部と豊富な森林資源を抱える山間部がダイナミックに結ばれる新しい社会システムがデザインできれば、
それは危機を正常化するという以上に、わたしたちの未来に大きな意味と希望をもたらすでしょう。

都心部における低炭素社会の実現に向け、その目的達成のためには、国内の森林整備と対になった森林資源の活用が
もっとも有効であるという認識に立ち、その認識の正当性と実現可能性を見極めるべく、港区の呼びかけにこたえて
全国から8区市町村長がここ港区立エコプラザに集いました。

森林整備がすすみ木材の利用が促進されることは、
未整備の人工林を多く抱え林業が低迷する全国の市町村共通の願いであることが、まず確認されました。
また、わたしたちは、森林の炭素吸収量および木材の炭素固定量を炭素クレジット化することができれば、
それも重要な森林資源になることを確認しました。

木材と炭素クレジット。
その二つの森林資源を両軸として、都心部と山間部が一致して低炭素社会の実現に向かう新しい取組み、
すなわち「みなとモデル2009」を前進させていくことを宣言します。

ここエコプラザは、あきる野市で整備をはじめたみなと区民の森から切り出された間伐材をふんだんに使用しています。
このエコプラザをモデルケースに、それをさらに発展させた取組みの実現のために、
わたしたちは惜しみなく知恵を出し合い協力し合います。
自らの地域の利益のためだけでなく、志を同じくするさらなる市町村との連携拡大も歓迎しつつ、
地球規模の公益に根ざした取組みとなるよう力を尽くします。

「みなとモデル2009」の構築のために求められる要点を以下に整理します。

1.じゅうぶんな木材利用を行なうことを視野に入れ、持続可能な森林経営を可能にする森林整備をすすめます。

2.間伐を行なうことで森林が吸収するようになる二酸化炭素の量を確かな手法と監理のもとに測定し、
  時代の要請に応えうる価値をもったクレジットの創出を目指し、そのクレジットの積極的かつ創造的な活用に取り組みます。
  また、化石燃料の代替となる森林バイオマスのクレジット化の試みはもちろん、
  木材が固定している二酸化炭素の量についても吸収量と同様の取組みを行ないます。

3.木材の利用に関しては、建材および施設の家具・什器として一定品質の材を随時大量に流通可能な体制を整えるとともに、
  間伐材が活用できる様々な用途への対応を試み、また、付加価値のつくデザイン性の高い製品の開発にも取り組みます。

4.地球温暖化防止の最前線となるのみならず、水源を育み、海や川のゆたかさを守り、
  生物多様性のゆりかごとなる森の真の価値を深く認識し、その観点からの森林整備を計画します。

5.わたしたち8区市町村長が先駆けとなって、全国の自治体の首長たちとの連携をすすめるとともに、
  現実に木材および炭素クレジットを受容する事業者との協力関係を構築しながら、また国や都道府県等とも協調しながら、
  上記「みなとモデル2009」を実践する「みなと森と水ネットワーク会議」を結成します。

わたしたちは、いちばん人の近くにいます。いちばん森の近くにいます。
それぞれに「現場」をもつ区市町村が連帯することで、地に足のついた具体的な成果を
継続的にあげられることを期待して取組みを開始します。
京都議定書の目標達成に貢献するために。地球環境の危機を乗りこえるために。

以上

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