| つくった人/考えた人 |
ワンガリ・マータイさん, 宮脇昭さん, 安藤忠雄さん |
| 解説 |
ここで詳しくレポートしていますが、2008年5月31日に港区エコプラザのオープニングイベントが開かれました。
その催しの一つが、「モッタイナイ」のマータイさん、「植林のすごい人」宮脇さん、建築家の安藤さんの森づくり会議。たくさんの「学び」と「前向きな気持ち」をいただいたので、エコニでもダイジェストでお届けします!
■マータイさん
・私たちはみな木を愛している。木とともに生きてきた。
・木なくしてはこの地球に存在しない。なぜ、木を植えるのかということにはたくさんの答えがあるが、強調したいのは、木は私たちが生きていくために不可欠だということだ。私は森で3R(リデュース、リユース、リサイクル)の概念を見つけた。また、感謝の気持ちである「MOTTAINAI」の精神を、木や森に対して思うようになった。
■宮脇さん
・マータイさんが言う通り、木を植えることは単なる小手先のものでなく、命を植えることなのだということだ。
・土地本来の木を混植・密植した健全な状態で植えることが大切だ。マータイさんが言われたように本来の森を取り戻すことが大切。本物の森づくりを日本からアジア、アフリカに、そして世界に広げていきたい。
■マータイさん
・木は乾期では飼料にもなり、植樹によって野生動物も集まってくるので、「グリーンベルト運動」では、農家の人もかかわっている。自分が植えた木が土地を実り豊かなものにし、家を建てることもできるのは素晴らしいことだ。
・森はさまざまな恵みを与えてくれる。しかし、私たちはその恵みを、当然のものと思ってしまっているところがある。日本人が森を愛しているのは素晴らしいこと。感謝の念を持ち続けたい。
■安藤さん
・神戸市の御影というところで仕事をした時のこと。樹齢200年ぐらいのクスノキが3本あり、「神が宿っている木だから、切ってはいけない」と地主に言われたことが強く印象に残っている。木が持つ影響力を思い知らされた。
・阪神・淡路大震災の後に、多くの建物を手がけた。その時に感じたのは、大きな木が火災を食い止めていたということだ。また、季節が巡ってくると、被災地に咲いた花が美しく、被災者を癒やしてくれた。「花は人の心を豊かにするものだ」と思い、12万戸あまり建てた復興住宅に、寄付を募ってモクレンなど約30万本の木を植えた。もう十数年たったが、地元の知り合いから「モクレン、咲いてるよ」と言われると、ああ役に立ったのかなあとも思う。人々の心の中に残るものなのだろうと思った。東京にだってまだ余地はある。一人一人ができることは小さいが、みんなでやれば大きな力になる。
・モノを作るだけでなく、育てていかなければならないと感じた。
■宮脇さん
関東大震災では、公園などでは多くの人が亡くなったが、土地本来のシイやカシが茂る鎮守の森では、死者がほとんどいなかったという。エコロジカルな森づくりは、21世紀の公共事業だと思う。都市の中に森をつくることは、命を守ることだ。木を植えることは、明日を植えることでもある。
■マータイさん
・木は以前から人々の精神的な支えとして、存在していたと思う。母が私に薪を取ってくるように言った時、同時に「イチジクの木は、神様の木なので取ってはいけない」とも話していた。
・そう言っていた人々は、森が持つ役割など科学的な知識はなかったが、木や自然に対する畏敬(いけい)の念を持っていた。自分たちが森によって生かされていることを実感していたからだ。 |